緯度と経度

地球という巨大な碁盤の上で、現在地をピンポイントで教えてくれる「タテ・ヨコのマス目番号」です。

定義 地球上のあらゆる場所を正確に示すために引かれた、仮想の横線と縦線の目盛りです。横線である「緯度」は赤道を基準に南北の位置を、縦線である「経度」は本初子午線を基準に東西の位置を表します。

横線の「緯度」:日射量と気候を決める

碁盤の横線を数えるように、地球を横に区切った仮想の線を緯線(いせん)と呼びます。その最も中心となるウエストラインが「赤道(緯度0度)」です。赤道を基準に、北へ行くほど数値が大きくなって北緯90度(北極点)に達し、南へ行くほど南緯90度(南極点)まで数字が増えていきます。

緯度は単に場所を示すだけでなく、その土地の「気候」を決定づけます。太陽の光が正面から強く降り注ぐ赤道付近は暑い熱帯気候になります。反対に、太陽光を斜めから受ける極地方へ行くほど気温は下がり、凍てつく寒帯気候になります。

私たちが暮らす日本の東京はおよそ北緯35.7度付近に位置しています。一年を通じて極端に暑すぎず寒すぎない、四季の移ろいが豊かな温帯気候に恵まれているのも、まさにこの緯度のおかげです。

緯度による日照量と気候変化図 太陽光 北緯90°(寒帯気候) 北緯37.5°(温帯気候) 赤道0°(熱帯気候) 南緯90°(寒帯気候)

縦線の「経度」:地球の時計と時差を生み出す

地球をミカンの房のように縦に割って包み込む線を経線(けいせん)と呼びます。経度は、イギリス・ロンドンの旧グリニッジ天文台を通る「本初子午線(経度0度)」を出発点としています。この基準線から東へ向かうと東経180度まで、西へ向かうと西経180度まで測ります。

経度は、世界中の「時間」を決める重要な基準です。丸い地球は1日24時間で1回転(360度)自転するため、経度15度ごとに1時間の時差が生まれます。基準線よりも東にある国は太陽が早く昇るため時間が進み、西にある国は時間が遅くなります。

日本は標準時として兵庫県明石市などを通る東経135度を基準にしています。そのため、本初子午線が通るイギリス(グリニッジ標準時)よりも、ちょうど9時間進んだ時計を見て生活しています。

本初子午線と経度による時差図 本初子午線(0°) 韓国(東経135°) 15°ごとに1時間差 英国基準+9時間 135°÷15° +9時間早い

もう少し詳しく:GPSと度・分・秒の仕組み

緯度と経度が交わる1点さえ分かれば、地球上のどんな場所でもたった一つの「固有の住所」を持つことができます。スマートフォンのマップアプリやカーナビが建物の入り口まで現在地を正確に案内できるのも、人工衛星から送られてくる緯度・経度の座標のおかげです。

地球はとても大きいため、緯度や経度の「1度」の幅だけでも約111キロメートルに相当します。そのため、さらに細かくピンポイントで位置を示すために、1度を60分に分け、1分をさらに60秒に分ける「度・分・秒」の単位系が使われます。

平面の地図では縦横の線がきれいな碁盤の目に見えますが、実際の地球儀では様子が異なります。緯線は極へ行くほど円が小さくなる平行線ですが、経線はすべての線が北極と南極の1点で交わるアーチ状(弓なり)の線になっています。

🤔 よくある誤解

✕ 誤解

経線も緯線と同じように、極地方へ行くほど線の長さが短くなる。

✓ 事実

横線の緯線は極へ行くほど円が小さくなりますが、縦線の経線はすべて北極と南極を結ぶ半円なので、どの線も長さは約2万キロメートルで同じです。

✕ 誤解

緯度1度と経度1度が表す実際の距離は、地球上のどこでも常に同じである。

✓ 事実

緯度1度あたりの距離は約111kmとほぼ一定ですが、経度1度あたりの距離は赤道付近で約111km、極に近づくにつれて狭くなり、北極点・南極点では0mになります。

🧺 日常で出会う場面

1 飛行機のパイロットや船の航海士は、目印のない大海原でも「北緯35度、東経139度」といった座標を頼りに航路を進みます。
2 スマートフォンで友達に「現在地を共有」するとき、バックグラウンドではリアルタイムの緯度と経度の数値データがやりとりされています。
💡 つまり ひとことで

緯度は「横線」で気候を分け、経度は「縦線」で時差を生み出し、この2つの線が交わることで地球上のあらゆる位置をピンポイントで特定できます。