タイムゾーンと時差

丸いスイカの片側だけに懐中電灯を当てると反対側が暗くなるように、地球が自転することで生まれる世界中の時計のズレのことです。

定義 タイムゾーン(標準時間帯)と時差とは、地球が自転することで地域ごとに太陽の光が当たる時間が異なるために生じる、時間の基準とその差のことです。世界中の人々が便利に生活や貿易を行えるよう、本初子午線を基準に地球を縦に分割して共通の標準時が決められました。

地球が回る巨大なメリーゴーラウンド

暗い部屋の中で懐中電灯を点け、サッカーボールをゆっくり回す場面を想像してみてください。懐中電灯の光が正面から当たる側は真昼のように明るいですが、その反対側は真っ暗な夜になります。地球は1日に1回自転(自分でぐるりと回る運動)をしているため、世界中のすべての場所に同時に昼や夜が訪れることはありません。

大昔は、村ごとに太陽が真上に来た瞬間を「昼の12時」と決めて生活していました。しかし、鉄道が発明されて遠くの都市同士をすばやく行き来できるようになると、大きな混乱が生じました。駅ごとに時計が数分ずつバラバラで、列車の時刻表を作ったり事故を防いだりするのが非常に危険だったのです。

そこで人類は、地球全体で使える共通のルールを作ることにしました。地球一周の360度を1日の24時間で割り、経度15度ごとに1時間の時差が生じるよう、地球を縦に区切ってタイムゾーンを定めたのです。

経度15度ごとに1時間変わる時差の仕組み 日光 自転(西→東) 西(-1時間) 基準(0時) 東(+1時間) 経度15°=時差1時間

もう少し正確に言うと:境界線がまっすぐな直線ではない理由

地図に引かれた経度線に沿ってタイムゾーンを完璧にまっすぐ分割すれば、科学的には最もすっきりします。しかし、実際の世界地図を見ると、タイムゾーンの境界線はジグザグと曲がりくねっています。自然の法則通りにきっちり分けてしまうと、同じ町や会社の中で東側と西側が違う時間を使うというおかしな事態になってしまうからです。

もう少し正確に言うと、タイムゾーンは単なる自然現象ではなく、人間の生活や経済のために決められた社会的な合意と行政区域の境界に基づいています。1つの国や都市の中ではできるだけ同じ時計を使ってこそ、電車の切符を買ったり役所の手続きをしたりできるからです。

東西に非常に広いロシアやアメリカは複数のタイムゾーンに分けて使っていますが、中国は広大な国土を持ちながらも北京を基準とした1つのタイムゾーンだけに統一しています。このようにタイムゾーンは、経度だけでなく国家の政策や都合に合わせて調整されているのです。

飛行機で時間を飛び越えると起こること

東京から飛行機に乗ってアメリカのニューヨークへ行くと、時計の針をなんと13〜14時間も戻さなければなりません。私たちの体の細胞はまだ日本時間に合わせて「今は寝る時間だよ」と眠気のサインを出しているのに、外の世界はまぶしい真昼という奇妙な状況が起こります。

このように、体内の体内時計と現地の実際の時間がズレることで起こる疲労感やだるさを時差ボケ(時差症候群)と呼びます。体内の臓器やホルモンが現地の新しい日光や食事のリズムに適応して再調整されるには、数日間の時間がかかります。

また、太平洋の真ん中には日付が変わる境界線である「日付変更線」もあります。この線を基準に地球の時間の計算がぐるりと1周して完了するため、飛行機でこの線を越えるとまるで魔法のように1日得をしたり失ったりする不思議な体験をすることになります。

🤔 よくある誤解

✕ 誤解

世界中のすべての国は、経度に合わせてきっかり1時間単位で時差が決まっている。

✓ 事実

インド、イラン、オーストラリア中部のように、30分や45分単位という珍しい時差を採用している国や地域もあります。

🧺 日常で出会う場面

1 日本が昼の12時のランチタイムのとき、ロンドンは午前3時なのでほとんどの人が深い眠りについています。
2 日本からアメリカのロサンゼルスへ飛行機で飛ぶと、出発した日付と同じ日の同じような時刻に到着します。
💡 つまり ひとことで

地球が自転することで生じる地域ごとの昼と夜のズレを、秩序正しく合わせるために世界で取り決めたルールがタイムゾーンと時差です。