VPN

開かれた広い高速道路の真ん中に、自分だけが安全に通れる専用の地下トンネルを掘ってくれる技術です。

定義 仮想専用線(Virtual Private Network)の略で、インターネット上の通信データを暗号化し、第三者による盗み見や改ざんを防ぐ安全な仮想通路です。実際の接続場所を隠し、セキュリティが弱いフリーWi-Fiでも安心してデータをやり取りできるようにサポートしてくれます。

開かれた広場に自分専用のトンネルを掘る

カフェや空港で使う無料のフリーWi-Fiは、誰もが自由に行き交う広い広場のようなものです。もし悪意を持った人が同じWi-Fiに接続して通信を傍受していた場合、閲覧しているWebサイトのURLやログイン情報といった重要なデータが筒抜けになる危険があります。

ここでVPNを使うと、広場の真ん中に自分専用の暗号化された地下トンネルを開通させてくれます。スマートフォンやパソコンから送出されるすべてのデータを解読不能な暗号の塊にして頑丈に包み込み、安全なVPN専用サーバーへと先に送り届ける仕組みです。

トンネルの外から見ているハッカーや通信事業者には、誰とどんなやり取りをしているのか一切分かりません。ただ「頑丈な暗号の箱が通路を通り過ぎていったな」ということくらいしか確認できないのです。

VPN暗号化と盗聴防止原理 盗聴を遮断 自端末 暗号化トンネル VPN装置

インターネット上の「住所票」をすり替える

インターネットを利用するとき、端末ごとに「IPアドレス」という固有の番号が割り振られます。この番号には、利用者の大まかな接続地域やプロバイダ情報が含まれており、Webサイトを訪れるたびに自分の足跡が残ることになります。

しかしVPNをオンにすると、自分が直接サイトを訪れる代わりに、VPNサーバーが頼もしいお使い役となって代理でアクセスしてくれます。相手のWebサイトから見ると、アクセスしてきたのは自分の端末ではなくVPNサーバーのアドレスにしか見えなくなるわけです。

例えば日本のカフェからアクセスしていても、アメリカにあるVPNサーバーを経由すれば、相手のサイトは「アメリカ国内からのアクセス」として認識します。そのため、テレワークで社内ネットワークに安全にリモート接続したり、地域限定のコンテンツにアクセスしたりする際にも重宝されています。

もう少し詳しく:無敵のセキュリティツールではありません

もう少し詳しく見ていくと、VPNはインターネット上のあらゆる脅威を防ぐ万能の盾というわけではありません。VPNは端末とサーバー間の通信経路を安全に包み込むだけであり、ユーザー自身の油断した行動まで防いではくれないからです。

たとえVPNを使っていても、フィッシング詐欺サイトに自らパスワードを入力してしまったり、悪質なウイルス付きファイルをダウンロードしてしまったりすれば、トンネルの安全性とは関係なく被害を受けてしまいます。

また、すべての通信データがVPN事業者のサーバーを経由するため、事業者の信頼性が極めて重要になります。セキュリティ体制が不透明な無料VPNを使うと、かえって運営元に利用履歴を収集され、広告会社などに売却されてしまうリスクもあるため注意が必要です。

🤔 よくある誤解

✕ 誤解

VPNをオンにすればネット上で完全な匿名性が保たれ、ハッキングのリスクもゼロになる。

✓ 事実

VPNは通信経路を暗号化し、IPアドレスを代理のものに置き換えるだけです。偽サイトに自分でパスワードを入力したり、マルウェアをダウンロードしたりするリスクまで防げるわけではありません。

🧺 日常で出会う場面

1 セキュリティが不安なカフェや駅のフリーWi-Fiに接続する際、個人情報を守るためにVPNを使う。
2 在宅勤務(テレワーク)で自宅のPCから会社の社内システムに安全にアクセスするために利用する。
3 海外出張や旅行中に、日本国内からしかアクセスできないWebサービスや業務用システムを利用する。
💡 つまり ひとことで

VPNは、暗号化された専用トンネルと中継サーバーを通じて通信を盗み見から守り、実際の接続場所を隠してくれるセキュリティ技術です。