グローバルIPとプライベートIPの違い

マンション全体の住所と各部屋の部屋番号のように、インターネット上の代表住所と家の中の部屋番号の関係です。

定義 インターネットという巨大な都市で家や会社を特定するための代表住所が「グローバルIP(パブリックIP)」なら、建物の中で部屋を区別する部屋番号が「プライベートIP」です。世界中で絶対に重複しない本物のインターネット住所と、Wi-Fiルーターの内側だけで使う内部の住所に分かれています。

マンションの住所と部屋番号の違い

ネットショッピングで荷物を頼むとき、マンションの住所だけ書いて部屋番号を書かないと、配達員さんは玄関まで届けられません。逆に住所なしで「101号室」とだけ書いても、東京なのか大阪なのかわかりませんよね。

コンピューターの世界もまったく同じです。世界中の機器同士が通信するには、地球上でたったひとつだけの固有の住所が必要で、これをグローバルIPアドレス(パブリックIP)と呼びます。プロバイダ(通信会社)から自宅に割り当てられる1本のインターネット回線が、まさにこのグローバルIPを受け取っています。

しかし、家やオフィスにあるノートパソコン、スマートフォン、タブレット、スマートテレビのすべてに本物の住所を配ると、あっという間にIPアドレスが枯渇してしまいます。そこでルーターという門番を置き、内側の機器同士では192.168…で始まるプライベートIPアドレス(ローカルIP)を割り振って使っているのです。

パブリックとプライベートIPの構造と違い 公網IP .113.1 プライベートIP(内部) ルーター スマホ .0.2 PC .0.3 TV .0.4

ルーターが間に入って住所を変換してくれる

スマホでYouTubeの動画を再生すると、スマホは自分のプライベートIPを付けてルーターにリクエストを送ります。ルーターはこれを受け取り、スマホの内側用住所を消して、自分のグローバルIPに着替えさせてからインターネットの世界へ送り出します。

YouTubeのサーバーから見ると、個別のスマホではなく「ルーターという建物の代表住所」だけが見えています。動画データを返信するときも、自宅ルーターのグローバルIP宛てに届けられます。YouTube側は、その家に何台の機器があるのかまったく知りません。

データが届くと、ルーターは記録しておいた帳簿を確認して「あ、これはさっきリビングのスマホが頼んだ動画だな」と判断し、元のプライベートIPへ正確に届けます。この賢い住所変換技術をNAT(ネットワーク・アドレス・トランスレーション)と呼びます。

グローバルIP/プライベートIPとNAT変換 アドレス変換表 スマホ IP.0.2 私有IP NATルータ アドレス変換機 グローバル変換 WEBサーバ 203.0.113.1

もう少し詳しく言うと

もう少し正確に言うと、プライベートIPを使っているパソコンは、外から直接入ってこられない「一方通行のバリア」の中にいます。自分から外へデータを要求して受け取るのは自由ですが、外部の友達がいきなりこちらのパソコンへ直接アクセスしようとしても、ルーターの門前で遮断されてしまいます。

外部のインターネットからは、家の中の「プライベートIPという部屋番号」を直接指定して訪ねていく方法がないからです。そのため、自宅のPCでオンラインゲームのサーバーを立てたり、個人用のWebサーバーを公開したりするには、ルーターに対して「外部からのアクセスを特定のパソコンへ通す専用の抜け道」を設定してあげる必要があります。

この抜け道を作る技術をポート開放(ポートフォワーディング)と呼びます。このようにプライベートIPの仕組みは、足りないIPアドレスを節約する経済的な方法であると同時に、不正な外部アクセスから機器を守る頼もしいセキュリティの盾としても機能しているのです。

🤔 よくある誤解

✕ 誤解

自宅のWi-Fiに接続されている機器は、すべて別々のグローバルIPを持っている。

✓ 事実

同じルーターに繋がっているスマホ、PC、テレビは、すべて1つのグローバルIPを共有しています。機器ごとに異なる番号は、ルーターの内側だけで使うプライベートIPです。

🧺 日常で出会う場面

1 自宅のルーター設定画面を開くときによく見かける「192.168.0.1」や「192.168.1.1」は、ルーター自身のプライベートIPアドレスです。
2 検索エンジンで「IP確認」と検索したときに表示される番号は、手元のスマホ固有のアドレスではなく、ルーターに割り当てられたグローバルIPです。
💡 つまり ひとことで

グローバルIPはインターネットの世界で唯一の代表住所、プライベートIPはルーターの内側で機器を識別する部屋番号です。