必要経費

たい焼きを売って得た売上から、あんこや小麦粉の代金をあらかじめ差し引き、純粋に残った「本当の利益」にだけ税金がかかるようにする仕組みです。

定義 必要経費(経費)とは、事業や仕事で収入を得るために不可欠だった仕入れ値や費用のことです。税金を計算する際、総収入(売上)からこの費用を先に差し引くため、実際に手元に残った「純利益」に対してだけ公平に税金を納められるようになっています。

なぜ売上全体に税金がかからないの?

たい焼き屋さんを開いて、1か月で100万ウォン(約10万円)の売上があったと想像してみてください。一見すると100万ウォン儲かったように見えますが、店主の手元に100万ウォンがそのまま残るわけではありません。あんこや小麦粉を買い、焼き型を温めるためのガス代も払っているからです。

もし材料費などに60万ウォンかかったとしたら、実際に店主の手元に残るお金は40万ウォンだけです。それなのに税務署から「売上の100万ウォン全体に税金を払いなさい」と言われたら、納得がいかないですよね。このように、売上をあげるために不可欠だった60万ウォンの出費を、税法では「必要経費」と呼びます。

税金は、事業主が実際に得た純粋な利益にだけ課税されるのが公平です。そのため、総収入(売上)から必要経費をまず差し引き、残った本当の利益(所得金額)をもとに税金を計算するのです。

必要経費の概念: 総収入100万ウォンから経費60万ウォンを引いた40万ウォンのみ課税 総収入 100万W 必要経費 60万W 課税対象 実質利益 40万W

どんな支出まで経費として認められる?

すべての出費が経費として認められるわけではありません。最も重要な基準は、事業活動との直接的な関連性です。例えばカフェのオーナーなら、コーヒー豆の仕入れ代や店舗の家賃、スタッフに支払った給料などは当然経費として認められます。

フリーランスのデザイナーであれば、業務用パソコンの購入費やデザイン専門書の代金、取引先との打ち合わせで使ったカフェ代なども経費に含まれます。しかし、休日に家族と出かけた外食費や個人的な洋服代は仕事と無関係なため、経費にはできません。

支出を経費として認めてもらうには、領収書や請求書などの証拠書類を保管しておく必要があります。クレジットカードの利用明細やレシートなど、「事業のために実際にお金を使った」という客観的な証拠があって初めて、正当に税金を抑える(節税する)ことができるのです。

もう一歩くわしく:レシートや領収書がないときは?

領収書を1枚ずつ管理して几帳面に帳簿をつけるのが難しい小規模事業者や初心者のフリーランスも少なくありません。こうした人たちのために、税務当局は業種ごとに「これくらいの売上なら、だいたいこれくらいの経費がかかるだろう」とあらかじめ定めた割合を用意しています。

これを経費率による推計計算と呼びます。例えば経費率が70%と定められている業種なら、1,000万ウォンの売上に対して領収書が揃っていなくても700万ウォンを経費として認めてくれる制度です。ただし、売上が大きくなるほど実際の領収書を集めて帳簿をつける(実額計算する)ほうが節税には圧倒的に有利になります。

ちなみに、会社勤めの給与所得者(会社員)は領収書を集めて必要経費を証明する必要がありません。その代わりに、年収に応じて法律で一定額を自動的に差し引く給与所得控除(韓国では勤労所得控除)が適用され、実質的に経費を差し引いたのと同じ効果が得られるようになっています。

🤔 よくある誤解

✕ 誤解

事業用のクレジットカードで支払ったものは、何でも無条件で必要経費になる。

✓ 事実

事業用カードで決済した場合でも、家族との私的な外食や私用の日用品購入など、事業と無関係な個人的支出は経費になりません。税務調査で否認されると、追徴課税(加算税など)が課されることもあります。

🧺 日常で出会う場面

1 飲食店オーナーが仕入れた食材代や毎月の店舗家賃
2 フリーランスのエンジニアが業務に必要な開発用有料ソフトを契約したサブスクリプション代
💡 つまり ひとことで

必要経費とは、売上をあげるために使った必須コストであり、総収入からこれを差し引いた残りの「純利益」にだけ税金が課されます。