デフォルト

借りたお金を返すと約束した日に、「返せません」と両手を挙げてしまう瞬間のことです。

定義 お金を借りた側が、約束した期日に利息や元本を支払えなくなった状態です。個人や企業はもちろん、国がこの状況に陥ることもあります。借金が消えてなくなることではなく、約束が破られたと公式に確認される「出来事」です。

約束が破られる瞬間

友達にお金を借りて、来月の一日に返すと約束したとしましょう。その日が来たのに財布が空っぽなら、約束は破られます。金融の世界でも、これとよく似たことが起こります。

企業や国は大きなお金が必要になると債券を売ります。債券とは「いつまでに利息を払い、元本を返します」と書き記した借用証書です。ここに書かれた期日に、利息を一度払い込めないだけでも約束を破ったことになります。

こうして返すと約束したお金を期日どおりに払えなくなった状態をデフォルトと呼びます。お金がなくて返せない場合もあれば、お金はあるのに送る経路がふさがれて返せない場合もあります。

契約書には、何日までなら遅れても大目に見るという猶予期間もあわせて書かれています。その期間さえ過ぎると、お金を貸した側はデフォルトを宣言できます。

利払日と猶予期間を経てデフォルトが宣言される流れ 借手 債券投資家 利払日 猶予期間 債務不履行宣言

宣言されると何が起こるのでしょうか

約束が破られたという事実が知れ渡ると、まず信用が崩れます。格付会社は格付けを大きく引き下げ、その債券を持っていた人たちは値の下がった紙を手にすることになります。

次に、新しくお金を借りることが難しくなります。貸す側は取りはぐれる危険が大きくなったと見て、はるかに高い利息を求めてくるからです。利息の負担が重くなれば返すことはもっと苦しくなる、という悪循環が生まれます。

国がこの状況に陥ると、波紋は国の外にまで広がります。通貨の価値が揺らぎ、物価が跳ね上がり、輸入代金を支払うことさえ重荷になります。そのため国際通貨基金のような機関が条件をつけて資金を貸し、目の前の火を消してくれることもあります。

そのあとに続くのは、借金をなくすことではなく、返し方をもう一度組み立て直すことです。お金を貸した人たちと向き合い、元本を削ったり満期を先延ばししたりする交渉を行います。

もう少し正確に言うと:破産とは何が違うのでしょうか

デフォルトと破産は似て見えますが、指している地点が違います。デフォルトは「返すと約束したことを守れなかった」という出来事そのものを指します。

破産は、そのあとに続くことがある法的な手続きです。裁判所が乗り出して残った財産を整理し、お金を貸した人たちに分け与える段階のことをいいます。デフォルトが起きたからといって、すぐさま破産につながるわけではありません。

交渉がうまくまとまり、満期を先延ばししたり利息を少し削ったりする線で決着することも多くあります。こうした調整を債務再編と呼びます。

国の場合は、店じまいをするという考え方がない点も違います。会社は消えることがあっても国は残り続けるので、結局は交渉のテーブルで条件を決め直すほうへと収まっていきます。

🤔 よくある誤解

✕ 誤解

デフォルトが宣言されると、借りたお金はそのまま消えてなくなる。

✓ 事実

借金がなくなるわけではありません。約束を守れなかったという確認にすぎず、そのあとには元本を削ったり満期を先延ばししたりする交渉が続きます。

✕ 誤解

返すお金さえあればデフォルトは起こらない。

✓ 事実

お金があっても、送金の経路がふさがれたり手続きが行き違ったりして期日どおりに支払えなければ、デフォルトとして扱われることがあります。

🧺 日常で出会う場面

1 企業が債券の利息を決められた期日に払い込めないまま、猶予期間まで過ぎてデフォルトとして扱われる場合です。
2 国が外国に返すべき借金を抱えきれず、返済を先延ばしにすると宣言する場合です。
💡 つまり ひとことで

デフォルトとは、借りたお金を約束した時に返せなかったと確認される出来事であり、そのあとには借金を組み直す交渉が続きます。