債券
国や大企業がまとまったお金を借りる際、「決まった期日に利息と元本を必ず返します」と約束して発行する公式な借用書です。
定義 国や地方自治体、企業などが巨額の事業資金を調達するために発行する公式な債務証書です。お金を貸してくれた人に対して、いつ元本を返済し、それまでにいくら利息を支払うかをあらかじめ約束した金融商品です。
お金を貸した証拠となる「公式な借用書」
友達に1,000円を貸したとき、メモ用紙に「来週、10円の利息をつけて返すね」と書いてもらう場面を思い浮かべてみてください。債券とは、まさにこの借用書を、国や大企業といった巨大な組織が大勢の人々に向けて大規模に発行するものです。
国が高速道路や空港を建設したり、企業が大規模な新工場を建てたりするには、何百億〜何千億円もの莫大な資金が必要です。これほどの大金を数行の銀行だけで借り切るのは難しいため、広く一般の投資家から少しずつ分けて借りる方法をとります。
そこで発行元は、借金を細かく小口化した証券を発行し、市場で販売して資金を集めます。この証券を購入した瞬間、投資家は発行元にお金を貸した債権者になります。
債券には、借りた元本や満期日(返済期日)、そしていついくらの利息を支払うかが明記されています。投資家は決まった期日ごとに約束された利息を受け取り、満期を迎えると貸した元本をそのまま返してもらえます。
金利と債券価格のシーソー関係
債券は満期まで保有して、約束された利息をコツコツ受け取るのが基本です。しかし、満期を迎える前であっても、株式のように市場でそのときの取引価格で自由に売買することができます。
このとき、債券の取引価格を決める最も決定的な要因が「市場金利」です。例えば、年5%の利息がつく債券を持っているときに、銀行の預金金利が年2%まで急落したと想像してみてください。人々は預金よりずっと高い利息をくれるあなたの債券を欲しがり、上乗せしたプレミアム価格を払ってでも買おうとします。
すると、あなたの債券の価値(価格)は上がります。逆に、世の中の金利が7%まで跳ね上がると、5%しか利息がつかない債券の魅力は薄れ、価格は下がってしまいます。つまり、「市場金利が上がると債券価格は下がり、金利が下がると債券価格は上がる」というシーソー関係が成り立ちます。
この仕組みがあるため、投資家は満期の利息だけを狙うのではなく、「これから金利が下がりそうだ」と予想したときに債券を買っておき、価格が上がったところで売却して売買益(キャピタルゲイン)を狙うこともあります。
株式とは何が違うの?
企業にお金を出すという点では、株式と債券は似ているように思えるかもしれません。しかし、両者には投資家が立つ法的なポジションに決定的な違いがあります。
株式を買うと、その会社の共同オーナー(株主)になります。会社が大きく儲かれば配当金もたくさんもらえ、株価も何倍にも跳ね上がりますが、万が一倒産した場合は投資したお金を全額失うリスクを背負います。
一方、債券を買うと、会社にお金を貸した安全な債権者になります。会社が過去最高益を出しても受け取れる利息は当初の約束どおり変わりませんが、会社が倒産しない限り、約束された元本と利息を安定して受け取ることができます。
さらに、万が一会社が倒産してしまった場合にも大きな違いがあります。会社の残った財産を整理して返済するとき、株主よりも債券を持つ債権者に優先してお金が返される法的な優先順位が保証されているからです。
🤔 よくある誤解
債券は元本が100%絶対に保証される定期預金のような商品だ。
債券を発行した企業や国が経営破綻や財政破綻(デフォルト)を起こすと、元本が戻ってこないリスクがあります。また、満期前に途中で売却する場合は、市場金利の変動によって元本割れする可能性もあります。
🧺 日常で出会う場面
債券は国や企業がお金を借りるために発行する公式な借用書で、定期的に利息を受け取り、満期に元本が戻ってくる投資商品です。