付加価値税(VAT)
モノを作って届ける過程で、新しくプラスされた「価値」にだけかかる税金です。
定義 付加価値税(VAT)は、商品やサービスが生産・流通するすべてのプロセスで新しく生み出された価値(付加価値)に対して課される税金です。日本の消費税もこの付加価値税の一種です。買い物時に消費者が価格に含めて負担しますが、実際に国へ納めるのは販売者である事業者が代行する代表的な「間接税」です。
1斤のパンが食卓に届くまで
農家が収穫した小麦を1,000ウォン(約110円)で製粉工場に売ったとしましょう。製粉工場は小麦を挽いて小麦粉にし、パン屋へ2,000ウォンで卸しました。パン屋はその小麦粉で丁寧にパンを焼き上げ、お客さんに3,000ウォンで販売しました。
ここで製粉工場は1,000ウォン分、パン屋はさらに1,000ウォン分の新しい価値を上乗せしました。付加価値税とは、このように各流通過程で新しく付け足された価値にだけ10%の税金をかける仕組みです。
もし段階ごとにモノの全額に税金をかけたらどうなるでしょうか? 小麦にも課税され、小麦粉にも重ねて課税され、税金が雪だるま式に膨らんでしまいます。付加価値税は、それぞれが生み出した分け前にだけ課税することで、税金が二重に重なる問題をすっきりと防いでくれます。
結局、消費者は最終的なパンの価格(3,000ウォン)に対する10%である300ウォンの税金を負担し、農家・製粉所・パン屋がそれぞれ生み出した価値の分だけ税金を分担して国に納めることになります。
レシートに隠された10%の秘密
コンビニで1,100ウォンのお菓子を買ってレシートを見ると、商品本体の価格1,000ウォンと税金100ウォンが分かれて記載されています。税金を負担したのはお菓子を買った私たちですが、このお金を税務署に直接納めるのはコンビニの店長さんです。
このように、税金を負担する人と直接納める人が異なる税金を「間接税」と呼びます。事業者は、お客さんから預かった税金から、自分が商品を仕入れるときに問屋などへ支払った税金を差し引いた差額だけを計算して国に納めます。
この計算を透明に行うため、事業者同士は取引のたびに「税金計算書(インボイス)」を取り交わします。相手に税金を支払った事実を公式に証明できなければ、自分が納める税金から差し引くことができないからです。
その結果、すべての事業者がお互いの取引をしっかり記録するようになり、自然と脱税を防ぐ強固な網が張り巡らされる効果が生まれます。
もう少し詳しく:すべてのモノにかかるわけではありません
もう少し正確に言うと、すべての商品やサービスに一律で10%の付加価値税がかかるわけではありません。付加価値税は富裕層でも所得が少ない人でも同じ税率を支払うため、生活に余裕のない人ほど負担が相対的に重くなってしまう弱点(逆進性)があるからです。
この負担を和らげるため、政府はお米、野菜、果物、水道水のように生活に欠かせない基礎生活必需品や、書籍、路線バスの運賃などには税金を最初からかけない免税制度を設けています。
反対に、海外へ輸出する商品には税率を0%にする「ゼロ税率」を適用します。自国企業の輸出競争力を高めるとともに、海外の消費者が現地の国で再び税金を支払う二重負担を防ぐための国際的なルールです。
🤔 よくある誤解
付加価値税はお店のオーナーが自腹で支払っている税金である。
消費者が支払いの際に負担した税金を事業者が一時的に預かり、まとめて税務署に納めている間接税です。
私たちが購入するすべてのモノやサービスには例外なく10%の付加価値税がかかる。
お米や生鮮野菜、水道水、書籍、路線バス運賃など、生活に必須の基礎品目には税金がかからない免税措置が適用されます。
🧺 日常で出会う場面
流通の段階ごとに新しくプラスされた価値に10%ずつ課税され、消費者が負担してお店が代わりに納める税金です。