夏至と冬至

太陽の光が一年でいちばん長く地面を照らす日と、夜が一日の大半を包み込む日――1年というサイクルの両端にある2つの日です。

定義 夏至(げし)と冬至(とうじ)は、1年の中で昼と夜の長さの差が最も極端になる2つの日です。北半球を基準にすると、夏至は昼がいちばん長くて夜がいちばん短い日、冬至は夜がいちばん長くて昼がいちばん短い日を指します。地球が自転する軸(地軸)を約23.5度傾けたまま太陽の周りを回っているため、このような違いが生まれます。

ちょっぴり傾いた地球のマジック

地球をまっすぐ立って回るコマではなく、少し斜めに傾いて回るコマだと想像してみてください。地球が太陽の周りを回る(公転する)とき、地球の自転軸は約23.5度傾いた状態をずっと保っています。この傾きがあるため、地球が公転軌道のどこにいるかによって、太陽の光を正面から受ける地域が変わります。

地球の北側(北半球)が太陽に向かって最も大きく傾くときが、まさに昼がいちばん長い「夏至」です。このとき太陽は空の高い位置を通り、北半球には1年で最もたくさんの日差しが降り注ぎます。東京を基準にすると、夏至の昼の長さは14時間30分を超えます。

反対に地球が公転軌道の反対側へ行くと、北側は太陽から遠ざかる方向へ傾きます。このときがまさに夜がいちばん長い「冬至」です。太陽は空の低いところをかすめるように通り、昼の時間は約9時間45分ほどまで短くなり、長い長い夜が続きます。

地軸の傾きによる夏至と冬至の昼夜の変化 夏至(6月) 冬至(12月) 地軸23.5° 太陽 北半球:昼が最も長い 北半球:夜が最も長い

もう少し詳しく:夏至がいちばん暑い日なの?

太陽の光をいちばん長く浴びる日が夏至なら、夏至が1年でいちばん暑い日になりそうですよね。しかし、私たちが体験する本格的な猛暑は、夏至(6月21日頃)ではなく、約1ヶ月後の7月下旬から8月上旬にやってきます。同じように、いちばん寒い日も冬至(12月22日頃)ではなく1月下旬頃です。

この理由は、大きな鍋でお湯を沸かす仕組みと同じです。ガスコンロの火を最大にした瞬間よりも、鍋と水が熱をたっぷり吸収した後のほうが、お湯がグツグツと沸騰しますよね。地球の地面や海、空気も熱をじっくり蓄えて放出する時間が必要なのです。

夏至に降り注いだ膨大な太陽熱が、地表面や海を十分に温めるまでに時間がかかるため、最高気温は約1ヶ月遅れて現れます。反対に冬至の後も地球が冷えていくプロセスが続くため、1月〜2月に最も厳しい寒さがやってきます。

南半球ではクリスマスが真夏になります

私たちが暮らす北半球で夏至を迎えるとき、地球の反対側にある南半球では正反対の季節を過ごしています。北半球が太陽に向かって身を乗り出しているとき、南半球は太陽と反対側を向いているからです。そのため、私たちの夏至の日は、オーストラリアやアルゼンチンの人々にとっては夜がいちばん長い「冬至の日」になります。

反対に、北半球が凍える冬至の日に、南半球は昼がいちばん長い真夏の夏至を迎えます。オーストラリアで12月のクリスマスに、サンタクロースが水着を着てサーフィンを楽しむ姿が見られるのは、まさにこのためです。

極地方に行くと、この現象はさらに劇的になります。北極圏では夏至の頃に一日中太陽が沈まない「白夜」が訪れ、冬至の頃には太陽が全く昇らない「極夜」が続きます。傾いた地球のおかげで、世界各地に多彩な昼と夜の景色が生まれているのです。

🤔 よくある誤解

✕ 誤解

夏至は地球が太陽に最も近づく日で、冬至は最も遠ざかる日である。

✓ 事実

昼夜の長さや季節を変化させる決め手は距離ではなく「地軸の傾き」です。実際には、北半球の冬(1月頃)のほうが地球は太陽に近く、夏(7月頃)のほうが遠い位置にあります。

✕ 誤解

夏至が1年でいちばん暑く、冬至がいちばん寒い。

✓ 事実

地表面や空気が熱を吸収・放出するのには時間がかかるため、実際の本格的な暑さや寒さは、夏至や冬至から約1ヶ月遅れてやってきます。

🧺 日常で出会う場面

1 冬至の日には、厄除けや無病息災を願ってカボチャを食べたり、ゆず湯に入ったりする風習が親しまれています。
2 北欧諸国では、夏至前後に太陽が沈まない「白夜」を祝う盛大な夏至祭(ミッドサマー)が開かれます。
💡 つまり ひとことで

約23.5度傾いた地球が太陽の周りを回ることで生まれる、1年で最も昼が長い日(夏至)と最も夜が長い日(冬至)のことです。