シュリンクフレーション
値札の数字はそのままで、お菓子の量だけをこっそり減らして売る「ステルス値上げ」のことです。
定義 スーパーでいつも買っていたお菓子の値段は変わらないのに、袋を開けたら中身が少なくなっていた経験はありませんか?シュリンクフレーション(Shrinkflation)とは、「縮む」を意味する英語(shrink)と「物価上昇」を意味するインフレーション(inflation)を組み合わせた言葉です。企業が販売価格を据え置いたまま、商品の容量や個数を減らすことで、実質的に値上げする現象を指します。あからさまに値上げすると消費者にすぐ気づかれて買い控えが起きるため、商品のサイズをこっそり小さくして値上げ感を隠す手法です。
なぜ価格を上げずに中身を減らすの?
店頭で買い物客が真っ先に目にするのは値札です。200円だったお菓子が急に250円になると、誰もが値上がりを実感してカゴに入れるのをためらってしまいます。これを避けるため、企業は値札の数字をそのままにして、中身だけをこっそり減らす戦略をとります。
見た目には価格が据え置きに見えるため、消費者の心理的な抵抗感を大幅に和らげることができます。原材料費や人件費が高騰した際、企業が利益を守るためによく使う手法です。しかし、消費者は同じ金額を払っても手に入る量が減るため、実質的な購買力は値上げされた時と全く同じように低下します。
結局のところ、値札が変わらなくても単位あたりの価格(1gあたりの値段)を計算すると、しっかり値上がりしているわけです。消費者がすぐには気づきにくいため、経済学者はこれを「隠れたインフレ」や「ステルス値上げ」と呼んでいます。
気づかれないように減らす巧妙なテクニック
企業は消費者に容量の減少を気づかれないよう、さまざまなパッケージ技術を駆使します。代表的なのが、外装のサイズはそのままで中身の空間を広げる方法です。窒素ガスの充填量を増やして袋を膨らませたままにしたり、プラスチック容器の底を上げ底にして、外見上のボリュームを維持したりします。
個包装の数をこっそり減らす方法もよく使われます。例えば、1箱12個入りだったお菓子を、箱の大きさは変えずに10個入りにして販売するようなケースです。個包装のデザインが以前と同じだと、箱を開けて一つひとつ数えてみない限り、内容量が減った事実に気づくのは非常に困難です。
さらには、トイレットペーパーの芯を太くしたり、洗剤ボトルの持ち手部分を空洞にして容量を減らすことさえあります。こうした「見せかけ」で利益を維持しようとする手法は、消費者の不信感を招く原因にもなっています。
もう少し詳しく:なぜ問題視されるのか?
シュリンクフレーションの最大の問題は、公式の物価統計と市民が感じる「体感物価」との間にズレが生じる点です。消費者は買い物をするたびに損をしている感覚があるのに、値札だけを追う単純な統計データでは物価が上がっていないように見えてしまうからです。
そこで近年、統計当局や経済界では、商品の規格や容量の変化を細かく反映させて物価指数を補正しています。また、多くの国や地域では消費者が惑わされないよう、100gあたりや100mlあたりの価格を分かりやすく表示する単位価格表示(ユニットプライス)の義務化が進められています。
原材料費の高騰などにより、どうしても容量を減らさざるを得ない場合でも、企業がそれを透明性を持って告知することが信頼維持につながります。事前の告知もなくひそかに容量を減らす行為は、結果として消費者を欺くことになってしまうからです。
🤔 よくある誤解
値札の金額が変わっていなければ、値上げされたわけではない。
値札が同じでも内容量が減っていれば、1gあたり(単位あたり)の価格は高くなっているため、紛れもない実質的な値上げ(インフレ)です。
🧺 日常で出会う場面
値札は変えずに、商品の容量やサイズをこっそり減らすことで実質的に値上げする手法のことです。