根抵当権
不動産という担保に「自分が回収できる上限枠」をあらかじめキープしておく、限度額つきのツケ払い帳簿のようなものです。
定義 住宅などを担保にお金を貸す際、将来発生する利息や遅延損害金も見越して「最大この金額まではこの物件から優先して回収する」という上限(極度額・債権最高額)を登記簿に設定しておく権利です。返済や借入のたびに登記を書き直す必要がなく、決められた限度額内で柔軟に対応できるため、多くの住宅ローンや事業者融資で使われています。
なぜ普通の抵当権ではなく「根」抵当権なのでしょうか?
友人にお金を10万円貸して財布を担保に取ったとします。3万円返されたら担保契約を7万円に書き直し、さらに2万円追加で貸したら9万円に書き直す…となると、とても面倒ですよね。
通常の抵当権は借金の額がピタリと特定されているため、残高が少しでも変わるとその都度登記を変更・抹消しなければなりません。一方、根抵当権は限度額付きの当座貸越(カードローンの利用枠)のように機能します。あらかじめ「上限枠」を広めに決めておけば、その枠内なら借金が増減しても毎回登記を書き直す必要がありません。
そのため、銀行が住宅ローンや融資を実行する際は、ほぼ確実に根抵当権を設定します。借りた人が毎月返済していくことで、実際の借入残高がリアルタイムに変動し続けるからです。
1,000万円借りたのに、なぜ登記簿には1,200万円と書かれるのでしょうか?
登記簿謄本(不動産の身分証)を取得してみると、実際に借りたお金より20%〜30%ほど高い金額が書かれているのをよく見かけます。これを「極度額(債権最高額)」と呼びます。
銀行の立場としては、借りた人が将来利息を滞納したり、元金を返済できなくなったりするリスクに備える必要があります。万が一物件が競売にかけられて配当金を受け取るまでには1年以上の長い期間がかかることもあり、その間に膨らむ延滞利息(遅延損害金)まであらかじめ計算に入れているのです。
正確に言えば、登記簿に1,200万円と書かれているからといって、家主が今すぐ返さなければならない借金が1,200万円というわけではありません。実際に返済義務があるのは現時点のローン残高ですが、第三者に対しては「この物件から最大1,200万円までは私たちの取り分です」と公に宣言しておく安全弁の役割を果たしているのです。
賃貸物件(チョンセなど)を探す際、なぜ根抵当権を真っ先に確認するのか?
家を借りる際、登記簿の「乙区(所有権以外の権利が書かれた欄)」を必ず確認するように言われます。そこに記載された根抵当権は、万が一物件に問題が生じたときにお金を優先的に回収できる「順番待ちの整理券」の役割を果たします。
もし家主が借金を返せなくなり物件が競売にかけられた場合、落札された代金からまず根抵当権を持つ銀行が自分の取り分を回収します。入居者の大切な敷金やチョンセ(韓国特有の高額な賃貸保証金)は、銀行が全額回収した後の「残りのお金」からしか戻ってきません。
そのため、「物件の相場価格」から「登記簿に記載された極度額(債権最高額)」を差し引いた金額が、自分の保証金よりも十分に多く残っている必要があります。家主が「実際の借金はもうほとんど残っていない」と言ったとしても、法的にはいつでも極度額の枠まで再度借入ができるため、必ず登記簿に書かれた最高額を基準にして安全性を判断しなければなりません。
🤔 よくある誤解
登記簿謄本に書かれている極度額(債権最高額)が、現在家主が返済すべき実際の借金額である。
極度額は銀行が最優先で回収を保護される上限枠にすぎません。ローンを着実に返済していれば、実際の残債はそれより少なくなっています。ただし賃貸などの安全性を計算する際は、いつでも枠の上限まで追加借入される可能性があるため、最高額を基準にリスクを見積もる必要があります。
🧺 日常で出会う場面
根抵当権は、変動する借入残高を見越して、不動産にあらかじめ優先回収できる上限枠(極度額)を設定しておく権利です。