ブラックコンシューマー

料理を美味しく平らげた後、こっそり持参した髪の毛を器に入れて「タダにしろ!」と難癖をつける悪質な客のようなものです。

定義 ブラックコンシューマーとは、企業や店舗に対して言いがかりをつけたり悪意ある脅しをかけたりして、不当な金銭補償や無料の商品、理不尽な特恵をだまし取ろうとする悪質クレーマー(悪質消費者)のことです。正当な権利を主張する一般の消費者とは違い、最初から不当な私利私欲を目的に計画的に近づいてくる点に特徴があります。

お店やスタッフを泣かせる「理不尽なお客さま」

飲食店で料理を綺麗に完食したあと、わざと髪の毛を乗せて大声で怒鳴りつける客がいます。お会計を踏み倒すだけでなく、「精神的苦痛を受けた」として多額の慰謝料まで要求してきます。一見すると被害者のように見えますが、実際は最初から得をするために仕組んだ嘘なのです。

このように、悪意を持って企業やお店に過度な補償を要求する人を「ブラックコンシューマー(悪質消費者)」と呼びます。英語の『ブラック(Black=悪質な・不正な)』と『コンシューマー(Consumer=消費者)』を組み合わせた言葉です。

彼らは主に「ネットのレビューに悪評を書くぞ」「SNSで晒してやる」などと脅し、お店の評判を人質にして不当な要求を通そうとします。接客業のスタッフはこうした理不尽な脅しにさらされ、涙を流しながら不当な要求に屈してしまうことも少なくありません。

正当な消費者と悪質クレーマーの比較 正当な消費者 正常な権利行使 被害に対する正当な補償 クレーマー ! 悪質な脅迫と誹謗 過度・不当な利益要求 VS

正当なクレームとの違い:権利の主張とどこが違う?

購入した商品に本当に欠陥があって返品・返金を求めるのは、消費者の正当な権利です。法律でも、消費者が被害を受けた場合には適切な救済や補償を受けられるよう守られています。では、正当なクレームとブラックコンシューマーによる悪質な嫌がらせは、何で見分ければよいのでしょうか?

見極めるポイントは、「要求の目的」と「手段」が正当かどうかにあります。正当な消費者は、商品に生じた実際の問題を解決し、本来の状態に戻す(原状回復する)ことが目的です。製品を交換してもらったり、代金を返金してもらえれば納得し、問題は解決します。

一方でブラックコンシューマーが狙っているのは、問題解決ではなく「不当な追加の利益」です。故意に商品を壊してから新品を要求したり、商品価格の何十倍もの示談金を要求したりします。さらに暴言や土下座の強要、業務妨害など、法を越えた脅迫的な手段を用いる点も決定的な違いです。

結局、被害を受けるのは善良な消費者

ブラックコンシューマーの横暴は、単に企業と悪質クレーマーの間だけの問題では終わりません。企業やお店は、悪質なクレームに対応・防御するために膨大な時間や弁護士費用、人員を割くことになります。

こうして増えすぎた対策コストは、最終的に商品やサービスの価格に上乗せされます。つまり、何の罪もない一般の消費者が余計なお金を払わされることになるのです。さらに、返品や交換の手続きが以前より格段に厳格で複雑になり、正当な権利を持つ善良な顧客までもが不便を被ることになります。

近年では、悪質クレーマーによる暴言等から従業員を守る「カスタマーハラスメント(カスハラ)対策」が進み、悪質な脅迫には法的措置で毅然と対応する企業も増えています。健全な消費文化を守るためには、理不尽な嫌がらせを許さない社会的な姿勢が欠かせません。

悪質クレーマー被害の連鎖構造 悪質苦情の発生 不当返金・暴言 対応コスト増 警備・法律相談 一般顧客の被害 値上げ・手続き複雑化

🤔 よくある誤解

✕ 誤解

不満を伝えたり返品を求めたりする客は、全員ブラックコンシューマーである。

✓ 事実

商品に欠陥がある場合に交換や返金を求めるのは消費者の正当な権利です。ブラックコンシューマーとは、嘘をでっち上げたり脅迫を用いたりして、不当な利益をだまし取ろうとする人のみを指します。

🧺 日常で出会う場面

1 高価なドレスを購入してパーティー等で着用した後、「タグが付いたままだから」と全額返金を要求する行為
2 出前をほぼ完食した後に「異物が入っていた」と因縁をつけ、低評価レビューでの嫌がらせを盾に高額な金銭を要求する行為
💡 つまり ひとことで

ブラックコンシューマーとは不当な利益を得るために故意に悪質なクレームをつける人のことであり、その負担は最終的に善良な一般消費者に跳ね返ってきます。